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ナルキッソス

ナルキッソス

ギリシャのペロポネソス半島中央部に、エコーという歌や踊り、おしゃべりが上手な森のニンフ(妖精)がおりました。

しかし、そのおしゃべりが原因で女神の怒りを買い、呪いをかけられてしまいました。その呪いとは自分からは口がきけず、他人の言葉の語尾のみを繰り返すという、辛いものだったのです。

そんなエコーが、ナルキッソス(Narkissos)という美少年に一目惚れ。恋に堕ちます。

幼少の頃から可愛いと評判だったナルキッソスは16歳になり、ますます美しい少年に成長。女性からだけでなく男性からも愛される絶世の美少年でした。

アメイニアスという男がナルキッソスに恋しますがホモに興味のないナルキッソスはこれを拒否。恋破れ、絶望したアメイニアスはナルキッソスの家の前でナイフで自殺してしまったというエピソードもありました。

いやホモがどうこうと言うよりも、カラダは成長しても、心が未成熟なナルキッソスは恋自体をまだ知らずにいたのです。

そんな女も男も夢中になる少年に恋をしたエコーですが、呪いにより自分からは話しかけることができません。胸の内を伝えることもできません。
ナルキッソス

森で迷ったナルキッソスにエコーが近づきます。ナルキッソスはエコーに話しかけますがエコーはナルキッソスの言葉の語尾を繰り返すだけ。

ナルキッソス「ボクはナルキッソス。君の名は?」エコー「君の名は?」

ナルキッソス「や、そうじゃなくて名前おしえろ。」エコー「エロ」

ナルキッソス「キミ、めんどくさいから僕はもう行く」エコー「もうイク」

話しても話しても、語尾しか繰り返せないエコーにキレたナルキッソスはエコーを邪険に扱いました。ソレを見たニンフの1人がエコーに同情。女神ネメシスにナルキッソスに呪いをかけてほしい。と懇願します。

ネメシスはコレをアッサリ快諾。

「ナルキッソスよ。恋を知りなさい。そして恋する相手が自分のものにならない苦しみを味わいなさい。」

呪いをかけられたナルキッソスは、森の泉で水を飲もうとしました。その水面には美しい少年がいました。ナルキッソスはその少年に恋しました。

そう。水に写った自分自身に。

しかしその少年に触れようと、手を伸ばすと水面が乱れ、少年は消えてしまう。声をかけても相手も何か言ってくれているようだが、聞こえない。呪いをかけられたナルキッソスは、来る日も来る日も水面に写った自分をただ眺めるだけでした。

やがてナルキッソスは衰弱し、死んでしまいました。

ナルキッソス

ナルキッソスの亡くなった場所には水仙が咲くようになり、水仙の学名は「Narcissus」と呼ばれるようになったということです。

と言う物悲しいんだかアホらしいんだかの、ナルキッソスにまつわるギリシャ神話ですが、水面に写った自分にキスしようとして溺れたとか諸説はイロイロあるようです。てかアメイニアス!自分をふった大好きな人の家の前で自殺って、どんだけ迷惑なヤツや。

ここまで読まれた方には容易に察することが出来ると思いますが、自分大好きな人のことを「ナルシスト(ナルシシズム)」と言いますが、その語源はこのナルキッソスから来ています。またカラオケなんかで「エコーをかける(音に残響効果を持たせる)」ですがコレもこの妖精エコーから付けられた名称と言われています。

いやあ、しかし近親相姦、同性愛なんでもアリなギリシャ神話。ほかにも美少年、同性愛、少年愛にまつわる神話があるようで、なかなか楽しっすね。


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